実体験 ロンドンで偽警官に騙されて大金を失った話3 交渉編


前回のあらすじ
ロンドンの路上で偽警官に騙されて90万円を失う。警察官にも怒られた上、飛行機にのる空港を間違えるという大失態を犯し、踏んだり蹴ったり……



今回はイギリス出国後のクレジットカード会社とのやり取りを紹介します。前回のブログにも書きましたが、僕みたいに暗証番号を教えてしまった場合は基本的に被害額が補償されません。しかし90万円といえば大金。はいそうですか、と引き下がるわけにもいきません。ダメ元で補償してもらえないか交渉することにしました。

被害に遭ったカードは3枚なので、合計3社と交渉をしました。順番に紹介します。

カード会社1:JCBカード

被害直後に連絡したときから非常に印象のよかったJCB。

事件直後
担当者「基本的には本人の過失による被害は補償できませんが、状況が状況ですので社内で検討します。現時点はっきりしたことは言えませんが、あまり心配される必要はないと思いますよ」

1週間後
担当者「社内で検討しました結果、今回は全額補償することになりました!ただし次回に同じような被害に遭った場合は補償できませんので注意してくださいね」

JCBさんありがとうぅぅ

というわけでこのカードの被害額約30万円は補償されました!なおポリスレポートは発効されなかったため提出しませんでしたが、代わりにウェブで被害届を出したときの申請番号が必要でした。

カード会社2:VISAカードその1


事件直後
担当者「本人の過失による被害は補償できません。社内で検討してみますが、難しいと思います」

10日後
担当者「やっぱダメでした」

そうは言っても大金がかかっていますから簡単には引き下がれません。利用規約を何度も読み直して反撃できないか考えました。そしてなんとかひねくり出した反撃のポイントが以下の3点です。

今回のケースは状況的に10対0で僕の過失ではない


利用規約「本人の過失による被害は補償できません」

果たして悪意のある詐欺師に騙されてカードを悪用されたのは「本人の過失」なのでしょうか?相手の警察手帳は確認しているし、少なくとも10対0で僕の過失ということはないんじゃない?であれば一部でも補償してくれるのがリーズナブルでしょう。

カード会社側にも過失がある

海外で高額なキャッシングが短時間に何度もされているのに、カード会社は悪用されているのを見抜けませんでした。セキュリティしっかりしてます!とか宣伝しているのに対してお粗末すぎます!

できる限りの対策をして、それでも悪用を見抜けなかったのかもしれません。でも僕だってできる限りの対策(警察手帳を確認)はしています。お互いにできる限りのことをしたんだから 、たとえば被害額の半分ぐらい補償してくれてもいいんじゃない?

補償してもカード会社に損はさせない

このカード、それまでにかなりの額を使用してきました。クレジットカードは使用額の1~3%ぐらいがカード会社の懐に入るので、かなり儲かったはず。今回、満足のいく対応をしてもらえれば今後も末永く利用しますよ~


交渉結果

以上の3点を担当者に伝えました。
担当者「暗証番号を教えたのはお客様の過失です。補償はできません、そういう決まりなんです。」
僕「いいから今言った3点を上司に伝えて、再検討してください!!」


その結果……
担当者「社内で再検討しました。確かにお客様は警察手帳を確認するなどしていますので、10対0でお客様の過失とは言い難いと思います。被害額の1/4だけなら補償いたします。ただしこれが限度です。この額に不服ならば1円たりとも補償しません」

被害額の1/4は約8万円。はっきりいって満足できる額ではありません。ただ今回の交渉、基本的にこっちに交渉カードが無いんですよね。

これ以上交渉しても良い方向に向かうようには思えなかったので、提示された条件を飲むことにしました。これ以上交渉が長引くのも嫌でしたしね。事件を思い出したりカード会社の人と議論・交渉するのも楽しくはありませんしね。

なお補償はカード会社の自腹らしいです。ポリスレポートの提出は求められませんでした。

カード会社2:VISAカードその2

事件直後
担当者「本人の過失による被害は補償できません。社内で検討してみますが、難しいと思います」

VISA系はやっぱり対応が厳しい……

担当者1「もし補償可能となった場合はポリスレポートが必要になるので準備してください」
僕「でもイギリスだから紙のレポートはもらえなかったんです」
担当者1「それじゃあ別の国の警察でもらうことはできませんか?」
僕「えっ!?別の国の警察がレポート書いたって何の意味もなくないですか?記載内容に対して責任を取れないじゃないですか」
担当者1「盗難保険の会社に説明するときに、できることはやったというアピールになるんですよ」
僕「(うへぇ。意味がないことを頑張ってもしょうがないじゃんか。カード会社や保険会社ってそういう文化なの?)
……とりあえず補償可能か検討していただいて、可能な場合に対応するのはどうですか?」
 担当者1「あ、たしかにそうですね。それじゃあしばらくお待ちください」

10日後
担当者2「担当1が不在なため、代わりに対応いたします。状況が状況のためなんとか補償できないか社内で検討しましたが、残念な結果となってしまいました」
(たぶんこの人は担当者1の上司)

僕「でもあーだこーだ(上記の3点を追及する)」

担当者2「理屈は理解できますが、それをやるとこれまで被害に遭われたお客様と対応に差が生まれてしまい、公平ではなくなってしまいます。従いまして弊社としましては補償することはできません」

というわけでこの会社からは全く譲歩を引き出せませんでした。

担当者2「私が同じ状況に遭遇したら安全に逃げ切れる自信はありません。お客様が納得いかないのもよくわかります。お力になれず申し訳ございません。

個人的にはお客様が一人旅をされていると聞いて、非常に興味がわきました。今回は支援して差し上げることはできませんが、ぜひとも旅を続けていただき、その経験を周りの日本人に教えてほしいと思っています。がんばってくださいね!」

一円も補償されませんでしたが担当の方が非常に好意的でした。僕はただバカンスでヨーロッパをブラブラしていただけなのにそれを応援してもらい、気持ちよく電話を切った記憶があります。実はこの担当者の言葉がブログを始めた理由の1つだったりします。

交渉結果まとめ

結局、被害額90万円のうち38万円の補償に成功、実被害額は52万円となりました。

補償額の内訳
カード会社1(JCB):30万円
カード会社2(VISA):8万円
カード会社3(VISA):0円

なんとか4割ほどは戻ってきたものの、結局50万円以上を失うという後味の悪い結果になってしまいました。

ただしもっと悪い結果になっていた可能性もあります。手元に帰ってきた2枚のカードも番号が控えられて悪用されていたら使えるカードが無くなるため、一時帰国をせざるをえませんでした。

また悪用されたカードの限度額がもっと高かったら、一時帰国どころか返済不能になるまで使われていた恐れもありました。52万円は大金ですが、豪遊しなければ予定通りに旅を続けることはできます。

感想など

保険会社との交渉が終わり、事件から1か月以上にわたって続いていた事後処理も完結しました。この1か月は事件を思い返すたびに気が重くなりましたし、また時間差で新たな被害が発覚しないか毎日ビクビクしていました。50万円以上失う結果となりましたが、区切りをつけることができてホッとしました。

当初は暗証番号を教えてしまったので全額返ってこないんじゃないかと心配していましたが、やっぱりダメ元で交渉してみるもんですね。ただ、一番悪いのは偽警官のはずなのに、補償を得るためにカード会社の人と戦うはめになったのは辛いものがありました。

補償額に差はありましたが対応してくれたカード会社の人には感謝せずにいられません。
 

 次回、一連の事件のまとめ編です。