実体験 ロンドンで偽警官に騙されて大金を失った話1 事件編


海外旅行で一番不安なのは現地の不安。治安が最高レベルに良い国・日本から来た観光客は残念ながら世界中でカモにされています。かくいう僕も見事にロンドンで偽警官にカモられました……今回は当時の体験を紹介しようと思います。僕の失敗が一人でも多くの方の役に立てば幸いです。

事件当時の状況

事件が起こったのは2018年12月13日、ロンドン・フィッツロヴィアという地域の路地。場所は下の地図のあたりです。


当時の僕はジョージア(国)に移動するため、ホステルを出てスタンステッド空港に向かう途中でした。時刻は18時ぐらい、冬だったのでほぼ暗い路地をバックパックを背負って歩いていたわけです。

突如、一人の男に話しかけられました。


男「すみません、★〇▽■に行く道を教えてくれませんか?」
僕「★〇▽■ですか?聞いたことないですね……」
男「そうですか……スペインから旅行に来たんですが、困りましたねぇ
あなたはどこ出身ですか?」

僕「僕は日本からなんです」
男「日本!大好きな国だよ!!」
僕「僕もスペイン大好きですよ!あんなに多様性にあるれる国はないですよね!」

といった具合で話し込んでいたら突如2人組の男が現れる。

警官A「お前タち!そこデ何やってルんだ!?」
警官B「オレたちハ警察官だ。(2人して警察手帳をチラっと見せる)動クんじゃない!こっチに並んで立ツんだ!余計な動きはスるんじゃナいぞ!」
警官A「ドラッグの取引ヲしてイるんじゃないノか!?」

僕「とんでもない!ただ道を教えていただけですよ。
 (ずいぶん訛のある英語だなぁ、僕のほうがうまいぐらいだ。でも移民の国、イギリスだからこういうこともあるのか)」

警官A「本当か?最近はクスリの取引がスごく増えテいるんだ。悪いケど持ち物検査さセてもモらうよ。手荷物をすベてこちラに渡せ。」

素直に従うスペイン旅行者。何となくつられて僕も財布の中身とセキュリティバッグに入っていたパスポート、クレジットカードを渡す。当時の僕はクレジットカードを5枚持っていて、カードケースに入れていました。なのでケースごと警察に渡しました。

警官B「腕モ見せてクれ。タトゥーが入ったジャパニーズマフィアじゃナいだろうな?それから本人確認のタめカードのコードを教えてクれ。」
僕「わかりました。****です。」

レシーバーに向かってコードを復唱する警察官

警官B「よし、OKだ。それジゃあ荷物を返すゾ。」
警官A「最近は怪シい奴ら多いから君たチ旅行者も注意してくれよ。こウやって他人に話シかけられテも基本は無視したほうがガいいんだ。それじゃ!」

やり取りは以上です。特に悪いことをしていたわけではありませんが、警官に「動くな!」とか言われたので、軽くパニックになりました。

その後は地下鉄に乗ってビクトリアバスターミナルに行き、そこからスタンステッド空港へ。バスに乗ってしばらくたって、やっと落ち着いてきました。

僕「そういえばさっきの警察、なんか様子が変だったな。ヨーロッパは偽警官が出るというけど、まさかな……あれっ、ケースの中にクレジットカードが2枚しか入っていない!もしや……急いでカード会社に確認しよう!」

というわけで大急ぎで無くなったカード3枚のカード会社に連絡をしました。

カード会社「電話ありがとうございます。自動音声で案内しております。●●の方は1を、■■の方は2を……」

僕「(こっちは緊急なんだよ!とっととオペレーターにつないでくれよ!!)」

カード会社「お待たせいたしました、盗難・紛失窓口です。どういったご用件ですか。」

僕「カードが盗まれた可能性があるんです、とにかく早くカードを停止したいんです!」

カード会社「カードが盗難に遭った可能性があるということですね。恐れ入りますが本人確認のためにお名前と住所、電話番号を教えてください。



ありがとうございました。本人確認が取れました。お客様のカードですが、残念ながら直近で2,000ポンドほどキャッシングで引き出されています。」

僕「どひぇー」

というやり取りを盗まれたカードの会社3社としました。カードは3枚とも即座に使用されており、合計被害額は約90万円……
(どーでもいいけど、緊急時ってもっと迅速に対応してくれないもんですかね。丁寧な対応なんて誰も求めていないのに。。)

また、返ってきたカード2枚も番号をカメラで撮影された恐れがあるため、カード会社に不正利用の痕跡がないか確認しました。こっちはとりあえず無事でしたが、使用記録がカード会社に送信されるまで時間差があるかもしれないので気は抜けませんでした。

どうすればよかったのか

さて、一連の流れを振り返ってみて、どう対応していればよかったのか?

賢明な読者はお気づきかと思いますが、最初に話しかけてきたスペイン人だという男、グルです。ドラッグの取引っぽい状況を作り出し、警察に呼び止められても自然な場面を作る役です。警察にすんなりと従ったのも僕を誘導するためです。

ヨーロッパで偽警官が出ることは知っていましたが、こんな特殊詐欺みたいな寸劇があるのは知りませんでした。でもよーく調べるとちゃんと事例が紹介されているんですよね。


国の治安状況は事前に確認して危険な地域には絶対行かないようにしていましたが、それに加えてよくある犯罪の手口も調べなきゃいけないと痛感しました。

基本的に警察が職務質問をすることは稀だし、荷物検査を路上ですることはまずないそうです。日本人からしたら変な感覚ですが、「警官を見たら詐欺師と思え」ぐらいの心構えが必要でした。上の記事にもある通り、日本人は狙われているのです。

また当時の僕は大きな荷物を持って暗い夜道を歩いていました。一番狙われやすい状況だったのに不用心すぎでした。偽警官の言う通り、話しかけられてもSorry, I have to goとか言って無視するべきでした。

感想

あとほんの少しで人通りの多い通りだったのに。あとほんの少しでイギリスを出国するところだったのに。悔やんでも悔やみきれません……

90万円という大金を使用され、完全にパニック状態になりました。手元に残った2枚のクレジットカードも不正に利用されている可能性があり、そうなれば手持ちのカードがなくなります。カードがなければ旅は続けられません。一時帰国が頭をよぎりました。

犯人たちが憎いというよりもまんまと騙された自分が情けなくて仕方ありません。ギャンブルで大金を失って収拾がつかなくなったときのような感覚といったらいいでしょうか。

偽警官たちは肌の色や訛から推測するに、北アフリカ・中東からの移民でしょう。ちょっとだけ彼らの印象が悪くなりました。イギリスがBrexitしようとしている理由がわかった気がします。


次回、警察とのやり取り編 につづきます。